Jupan Culture Cafe Gallery の奥にあるもの
文化。
それは一体なんでしょう。
私たちのカラダの中に脈々と。
無意識的にも存在しているものがあるとしたら、なんだと思いますか??
かつて、古の世において、想いを届ける伝達手段であった和歌は、ことばとコトバを重ね合わせて幾重にも意味を折りたたみました。
そうしてできた歌は、ただ深く鮮やかな彩りと細やかな愛情が散りばめられた心地よい音として存在しました。
また、日本には古くから伝わる伝統の技法、職人の技が沢山存在しています。
大変緻密でかつ感覚的。
だけれどその腕一本で仕上げていく、繊細な手仕事。
そんな、沢山の伝統技術が、いま ひとつ、またひとつ、とさまざまな理由でそっと静かに姿を消しています。
職人たちの声は届かなくなり、沢山の様々なモノであふれる社会になりました。
いとも簡単にあらゆるものが大変安価に手に入るようになり、沢山のインスタントな消費を始めました。
私ももちろん、そんな社会の中で何も疑問を持つこともなく暮らしていました。
私は水引に出逢ったことで、水引のむすび、日本文化、ひいては日本の言語に至るまで、多岐にわたる研究を、今もなお続けています。
その中で、むすびが紡いだ信じられないような素晴らしいご縁をたくさん戴いたことで、私は、それらのそれぞれのアツさを伝えていきたい、届けに行きたい、と考えるようになりました。
そして、職人同士の技術や想いを重ね合わせて折りたたんだ和歌のように、心が振るえる空間をつくりたい……とも、おもうようになりました。
――それぞれの作品を通して、伝播して、共に振るえる。感覚的にも、感じるままに。
『Japan Culture Cafe Gallery』が生まれたのは、私と、漆を使った作家である『riuru』として活動されている森田理子さんとふたりで「水引・漆・水引 × 漆、という作品展をやりたいね」と話していたことが発端でした。
「想いや歴史、素材や技術のことって、店頭じゃなかなかいきなり話せないもんねー」なんて話していたところ、「せっかくだし、座ってコーヒーでも飲んでってもらいたいよねぇ」という種が生まれました。
そこで、
「それなら、『コーヒーは日本の文化だ』ってコーヒーを淹れながら私と同じことを喋る人がいるから、彼らにコーヒーを淹れてもらいたい!!」
「だったらそのコーヒー、友人の陶芸作家の作品に入れて出したいね!」
「コーヒーあるならさ、私のお友達の和菓子の作家さんの和菓子ならコーヒーに合うとおもう!!」
…………!
………
……
…
こうして、あれよあれよと妄想は膨らみ、少しずつそれぞれに作品と想いが重なりあうように、ご縁の環を広げてできたのが、この『Japan Culture Cafe Gallery』というイベントです。
普段、店頭では聞けないような作品や素材のストーリー、製作についての想いや、ご自身を象るそれを、さまざまなコミュニケーションを通じて体感していただけたら、とおもっています。
沢山のアツい日本を心に持ったクリエーターさんたちに出逢いにきてもらいたい。
それが私の想いです。
どうぞ、よしなに。
作家たちの話を聴けるカフェギャラリー
Japan Culture Cafe Gallery Vol.01
- 会期
- 2021年12月16日(木)~19日(日)
- 場所
- 中目黒ふらっと公民館
https://kominkan.net/
出展者一覧
- 結び屋 虹園:水引
- riuru:漆
- mii(結び屋 虹園 × riuru):水引 × 漆
- 珈琲焙煎研究所:自家焙煎ハンドドリップコーヒー
- 喫茶 蒼:自家焙煎サイフォン式コーヒー
- 吉岡 亜子:備前焼
- cafe irodori:和菓子
- 菊田製菓:おこし
- 忠之助商店:雑貨店・美濃焼
- アトリエ鍛 ~たん~:鍛金
- 成瀬 栞鳳:カリグラフィー・書・イラスト
- イザック:レモンサワー
- DUCK WORKS:ウェブサイト・組紐・鎖帷子アクセサリー